概要
目先の快感からついついやってしまい、中長期的にマイナスの影響を与える「悪い習慣」について解説した後、どうすれば悪い習慣を辞めることができるか解説した書籍である。習慣化コンサルタントの古川さんが執筆されている。
習慣化への過程として、主に「禁欲期」→「無気力期」→「安定期」→「倦怠期」が挙げられる。
更に内容について詳しく知りたい方は、図書館やあれば書店などで本書を読んでみることをお勧めしたい。
まとめ
そもそも「悪い習慣」とは、自分にとって、中長期的に見てデメリットがあるものを指す。
悪い習慣のデメリットは、大きく五つに分類される。
①健康を保てない
②時間が無駄になる
③生活リズムが悪くなる
④セルフイメージが低下する
⑤幸福度が下がる
そして、悪い習慣を断ち切るために必要なポイントを紹介する。
①一度にひとつの習慣に取り組む
②センターピンとボトルネックを明確にする
③目標達成ではなくプロセスに集中する
注意してほしいのは、習慣化は目標達成ではないということだ。
たとえば、ダイエットで5キロ瘦せようとする。目標は達成できたものの、そのあと燃え尽きてしまえばあっという間にリバウンドしてしまうだろう。
しかし、習慣化を身に着ければ、望ましい行動を一定のリズムにして、ほぼ無意識に続けられるようになる。
行動の結果より行動自体に焦点を向けてからこそ、長期的に安定した結果を得ることができるのだ。
その必要なポイントを踏まえたうえで、「禁欲期」や「無気力期」などといった習慣化の過程について紹介されている。
例として、禁欲期によく下がってしまうモチベーションについて、高める方法をまとめてみた。
①モチベーションが上がる言葉を自分に投げかける
②悪い習慣を辞めた後の理想や夢を描く
③行動メニューを具体的に決め、機械的にこなす
④タイマーを使って最大限集中
⑤アメと鞭を上手に使いこなし、快感や危機感を煽る
⑥毎日行動を振り返る時間をとる。
⑦同じやめたい習慣がある人と切磋琢磨しあう
⑧周りに公言する
その他、行動を振り返ったり、なぜうまくいったか考えたり。
また、習慣化したいことをレコーディング(記録)したり、スイッチング行動(代替行動)を取り入れてみたり。
ひとつずつ習慣化するための工夫をしていくことにより、徐々に習慣化を生活に取り入れることができるだろう。
感想
自身も小学生のころからインターネット依存症で悩んでいるので、ふと目にしたこの本を手に取ってみた。
今までは自身の意志の弱さを何度も嘆いていたが、そもそも「人間の脳は生存本能から、変化に抵抗して現状を維持しようとする」性質があるらしい。そのためシンプルに、意志が弱いから辞められない訳ではないのだと腑に落ちた。
また、悪い習慣を断ち切るには、その習慣が引き起こす欲望に打ち勝つ必要があると知った。刺激が欲しい、プレッシャーから解放されたい。孤独から解放されたい。そのような欲求は自身も何度も持ったことがある。
だからこそ、悪い習慣を断ち切れないまま生きてきた人の気持ちも、完全にとは言わないものの理解できる。
ただ、やはり辞めたいものはキッパリとやめたい。そのために少しでもヒントが欲しかったので、この本に書いてあったことを実践してみたい。
具体的には、「この習慣をやめなければ、こんなデメリットがある」「この習慣をやめればこんな良いことがある」「この習慣をやめることで、将来大きなメリットが得られる」。以上の理由に着目しながら、まずは紙に書きだして、目につきやすいところに貼っておこうと考えている。
この本ではやめたい習慣を、先延ばしやネットサーフィン依存などの「行動習慣」、食べすぎや飲みすぎなどの「身体習慣」、そして完璧主義やイライラしやすいなどの「思考習慣」という三つのカテゴリーに分類して、自身の習慣について分析していく視点も参考になった。
確かに習慣化は大変だが、まずは自分のできるところから、コツコツ積み重ねていけたらと思う。
参考文献 古川武士『新しい自分に生まれ変わる「やめる」習慣』日本実業出版社 2014年1月