『キミが信頼されないのは話がズレてるだけなんだ』を読んで
概要
会社や日常会話でのコミュニケーションをする際、誰しも会話がずれることがあるだろう。
しかし、会話のずれが思わぬトラブルを招くこともある。
円滑なコミュニケーションは相手あってこそ成り立つ。本書では、話のずれを修正して、実践してみることを目的としている。
まとめ
著者曰く、話がかみ合わない理由は、主に3つの理由がある。
・反射
相手の話を聞いた後、反射的に答えてしまうこと。わかりました!はその一例。
予防策として「明日の四時までですか?」「部長に伝えますか」など、具体的な確認をするとよい。
また、「たとえば○○でしょうか」「具体的には×ということでしょうか」等と話の内容が明確になるまで確認してみるのも方法の一つだ。
・思い込み
たとえば仕事に役立つ勉強は何かわかるか。と質問されたとき、「もちろん、わかってます」と答えてしまう場合。
聞き手が分かっていると思い込んでいるから、お互いの認識がずれていても中々確認できない。
予防策として、最後まではっきり話しきること。そして「いろいろ」ではなく、細かく漏れなく具体的に話すと効果的。4w2hの質問を心がけてもよい。
・知識不足
たとえば「アサイン」という単語を使い質問しても、聞き手の知識不足で何を伝えようとしているのかわからなかったり、聞き間違いをしてしまったりする場合がある。
予防策としては、相手の頭の中を意識し、相手がわかるであろう言葉を推測して話すこと心がけると良い。
ここまで3つの会話のズレに関わるパターンを見てきた。
更に認識のズレをなくすには、どうすればよいだろうか。本書では、以下パターンを習慣化することを推奨している。
・その場で確認
・具体化する
・会社の常識はメモする
・相手の述べたことを復唱し、話を明確にする
・相手のスタンスを確認する
・気になるところがあれば、ちょっとメモしていいですか?と尋ねる
・相談しづらい雰囲気であれば、雑談でいったん空気を温めておいて、後から相談する
・この、その、あの、などは極力使わない
・結論を最初に話す
・自社の情報を漏れなくチェックする
・5w2hの質問を定期的に行う。たとえば「いつ、なぜ、どのように、どのくらい、だれ、なに、どこ」を適宜確認
また、本書では、話が脱線しやすい人におすすめのズレを改善する方法も掲載されている。
たとえば、PREP法である。この方法は説得力のある話し方として有名な方法である。
P(論点)「こうなんです」
R(理由)「なぜかというと、こうですから」
E(具体例)「たとえば、こんなことがありました」
P(論点)「だから、こうなんです」
以上の順序で会話を心がけると、内容が論理的に伝わりやすくなる。
そのほか、提案する際には以下のDESC法を用いるとよい。
D(描写)「こんなことがありました」
E(説明)「このままだとこうなります」
S(提案)「こうしたらいかがでしょうか」
C(結果)「こういう結果になります」
以上の方法を生活に取り入れ、習慣化することにより、会社や日常生活での会話のずれが減り、コミュニケーションが円滑に進みやすくなる。
感想
私も思い返せば、「何を伝えたいのかわからない」「話が脱線してるよ」と何度言われたことだろう。(笑)
確かに、日常会話では話が脱線してもあまり困らないものの、会社の上司や同僚、そしてお客様などに回りくどい説明をしていては埒が明かない。
そんな「話題ずらし王」の私にとって、本書の内容は常時心がける必要があると感じた。
特に「ごもっともです(笑)」と感じたところは「こそあど言葉をなるべく使用しない」という部分。
私は記憶力が残念だからという理由もあるかもしれないが、「あ~あれだよ、あれ」「その話題よくない?」のように頻繁に使用してしまう。
「あれ、それ」では相手に伝わりづらいため、今後は気づいた際にでも、具体的な内容に置き換えて使用してみようと思う。
出典 横山信弘『キミが信頼されないのは話がズレてるだけなんだ』すばる舎 2023年3月